サーバに搭載されているネットワークインターフェースカードを通じて送受信されるデータ量を監視するためのテンプレートを作成します。WEBサイトに大容量のファイルのダウンロードさせるコンテンツがあるなどネットワーク通信量が多い場合は、CDN(コンテンツデリバリネットワーク)の利用を検討するのも一案です。
ネットワークで送受信されるデータ量は sar コマンドの「-n DEV」オプションなどで確認することができます。
$ sar -n DEV 05時50分01秒 IFACE rxpck/s txpck/s rxkB/s txkB/s rxcmp/s txcmp/s rxmcst/s 06時00分01秒 lo 8.41 8.41 0.55 0.55 0.00 0.00 0.00 06時00分01秒 eth0 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 06時00分01秒 eth1 1.03 0.90 0.19 0.39 0.00 0.00 0.00
sar -n DEV コマンド出力の見方
IFACE 統計を出力するネットワークインターフェース名 rxpck/s 1秒あたり総受信パケット数 txpck/s 1秒あたり総送信パケット数 rxkB/s 1秒あたり総受信キロバイト数 txkB/s 1秒あたり総送信キロバイト数 rxcmp/s 1秒あたり総受信圧縮パケット数(cslip等) txcmp/s 1秒あたり総送信圧縮パケット数(cslip等) rxmcst/s 1秒あたり総受信マルチキャストパケット数
※「sarコマンドのマニュアル | 自作データベース環境で各種実験」より引用
アプリケーションの作成
もし「A_Template_OS_Linux」テンプレートを作成していない場合は、こちらを参考にして作成しておきましょう。
[設定]→[テンプレート] 「A_Template_OS_Linux」行の「アプリケーション」をクリックします。
名前に「net」を入力し「追加」をクリックすればアプリケーションが作成されます。
アイテムの作成
[設定]→[テンプレート] 「A_Template_OS_Linux」行の「アイテム」をクリックします。
下記を設定し「追加」をクリックすればアイテムが作成されます。
---(設定箇所)---------------------------
名前:1064_トラフィック IN $1
キー:net.if.in[eth0,bytes]
単位:Bps
更新間隔(秒):60
保存時の計算:差分/時間
アプリケーション:net
------------------------------
名前の「$1」は、キーの第一引数を表示します。この設定の場合はネットワークインターフェース名「eth0」が表示されます。また、キーの第一引数で指定するネットワークインターフェース名は、ご自分の環境に合わせて設定してください。
単位は1秒あたりのバイト数です。一般的にネットワーク転送量は1秒あたりのビット数(bps)示すことが多いので注意が必要です。例えば100Mbps(ビット毎秒)は「1バイト=8ビット」になるので、12.5MBps(バイト毎秒)になります。頭文字が同じなのでややこしいですね(^^;) 小文字の「b」ばビット、大文字の「B」はバイトを意味します。
取得できる値はネットワーク転送量の累計になりますので、保存時の計算で「差分/時間」を選択します。この設定により1秒あたりのバイト数を取得できます。
同様にネットワーク送信量の監視アイテムを作成します。
---(設定箇所)---------------------------
名前:1065_トラフィック OUT $1
キー:net.if.out[eth0,bytes]
単位:Bps
更新間隔(秒):60
保存時の計算:差分/時間
アプリケーション:net
------------------------------
アイテムキー net.if.in と net.if.out のパラメータ
net.if.in[if,<mode>]
net.if.out[if,<mode>]if - ネットワークインターフェース名
mode - 可能な値
bytes - バイト数(デフォルト)
packets - パケット数
errors - エラー数
dropped - ドロップパケット数このキーを差分/時間の保存時の計算で使用して、1秒あたりのバイト数の統計を取得できます。
詳細は公式マニュアル 1 Zabbixエージェント | Zabbix Documentaion 2.2 を参照してください。
グラフの作成
[設定]→[テンプレート] 「A_Template_OS_Linux」行の「グラフ」をクリックします。
「グラフ」タブを選択し、アイテムの「追加」をクリックします。
グラフに表示したいアイテムを選択し「選択」をクリックします。
下記を設定してアイテムが追加されていることを確認し「追加」をクリックすればグラフが作成されます。
---(設定箇所)---------------------------
名前:net eth0
------------------------------
スクリーンの作成
3-2. ロードアベレージ 監視テンプレート設定からこの記事までの手順で「A_Template_OS_Linux」テンプレートに7つのグラフを作成しました。各監視項目のグラフを並べて確認できるようにするためグラフをスクリーンに登録しておきましょう。
[設定]→[テンプレート] 「A_Template_OS_Linux」行の「スクリーン」をクリックします。
---(設定箇所)---------------------------
名前:システム
列:2
行:4
----------------------------
スクリーンセルの設定が開きますので、グラフ名の「選択」をクリックします。
グラフ名が「A_Template_OS_Linux: load average」になっていることを確認して「追加」をクリックすれば登録終了です。他の値は特に変更する必要はありませんがお好みで調整してください。
同様に下記のグラフも登録します。
---(グラフ名)---------------------------
cpu
disk I/O
cpu iowait
memory
swap
net eth0
----------------------------
最後に作成した監視テンプレートの動作確認をして作業完了です。
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