2017年12月21日、Zabbix4.0アルファ版がリリースされました。このリリースは本番用ではありませんが、 Zabbix 4.0 の新機能をいち早く試してみることができます。(本番用のリリースは2018年1月〜3月を予定しています)さっそく、Zabbix4.0アルファ版を CentOS7.4(1708)にインストールしてみましたので、手順をメモしておきました。
リリースノート:Release Notes of Zabbix 4.0.0alpha1
(2018年10月2日追記)Zabbix 4.0 が正式リリースされました。
関連記事:Zabbix 4.0 インストールメモ(CentOS7 + MySQL 8.0)
Zabbix 4.0 は LTS(長期的なサポート)リリース
Zabbix 4.0 は、LTS(Long Term Support)と呼ばれる長期サポートリリースです。前回の Zabbix 3.0 LTSリリースから約2年ぶりのバージョンアップになります。
これから Zabbix の導入やアップデートを検討している方は、正式リリースを少し待って Zabbix 4.0 を検討してみるのも良さそうですね。
参考資料:Zabbix サポート期間とリリースポリシー | Zabbixオフィシャル日本語サイト
下準備
まず始めに、CentOS7.4にLAMP環境をインストール しておきます。
Zabbix 4.0 アルファ版のダウンロード
今回は Zabbix 4.0 アルファ版をソースからインストールします。
Zabbix のダウンロードページから、Zabbix 4.0 アルファ版をダウンロードしてください。(SourceForge からダウンロードされます)
今回はソースからインストールしますが、アプライアンスとして VirtualBox や VMWare、OVF など仮想マシンのイメージファイル形式でもダウンロードできるのは便利ですね。手っ取り早く試せそうです。
Zabbix 4.0 アルファ版 のインストール
まず Zabbix が依存するライブラリをインストールしておきます。
yum -y install net-snmp-devel
yum -y install libevent-devel
yum -y install libcurl-devel
ダウンロードしたソースファイルを解凍します。
Zabbix サーバーとエージェントをコンパイルしてインストールします。(「--enable-agent」オプションを付けると「zabbix_get」と「zabbix_sender」もインストールされます)
./configure --enable-server \
--enable-agent \
--with-mysql \
--enable-ipv6 \
--with-net-snmp \
--with-libcurl \
--with-libxml2
make install
Zabbix の各種バイナリは以下の場所にインストールされます。(パスが通ってない場合は設定しておきましょう)
/usr/local/sbin/zabbix_agentd
/usr/local/bin/zabbix_get
/usr/local/bin/zabbix_sender
Zabbix データベースの作成
MySQLに、Zabbix用のデータベース(zabbix)とユーザー(zabbix)を作成します。
create database zabbix character set utf8 collate utf8_bin;
grant all on zabbix.* to zabbix@localhost identified by '<パスワード>';
quit;
Zabbix 用のデータベーススキーマとデータをインポートします。(SQLファイルは、解凍したソースファイルディレクトリの下の「database/mysql/」 にあります)
mysql -u zabbix -p zabbix < schema.sql
mysql -u zabbix -p zabbix < images.sql
mysql -u zabbix -p zabbix < data.sql
Zabbix サーバーの設定と起動
Zabbix サーバーの設定ファイルに、先ほど作成したMySQLのユーザー(zabbix)のパスワードを入力します。
vim /usr/local/etc/zabbix_server.conf
↓
DBPassword=<パスワード>
Zabbix 起動用のユーザーを作成します。
Zabbix サーバーの起動
動作確認用に Zabbix エージェントも起動しておきます。
Zabbix エージェントの動作確認(Zabbixのバージョンが表示されればOKです)
4.0.0alpha1
Webインターフェイスの配置
解凍したソースファイルディレクトリの下の「frontends/php/」に、Webインターフェイスを構成する PHP ファイルがありますので、これを WEBサーバーのドキュメントルート下の「zabbix」ディレクトリに配置します。
以下はドキュメントルートの場所が「/var/www/html/」の場合の手順です。ドキュメントルートの場所はご自分の環境に合わせてください。
ドキュメントルートの直下に「zabbix」ディレクトリを作成します。(名前はなんでも構いません)
Webインターフェイスの構成ファイルをコピーします。
cp -a . /var/www/html/zabbix/
この後の初期設定で Webインターフェイスから Zabbix の設定ファイル(zabbix.conf.php)を作成しますので、conf ディレクトリのオーナーを apache(WEBサーバーの実行ユーザー)に変更しておきます。
Webインターフェイスが依存するPHPエクステンションをインストールします。
yum -y install php-ldap
yum -y install php-xml
Apache httpd の設定ファイルに以下を追加します。
vim /etc/httpd/conf/httpd.conf
php_value memory_limit 128M
php_value post_max_size 16M
php_value upload_max_filesize 2M
php_value max_input_time 300
php_value date.timezone Asia/Tokyo
Apache httpd を再起動します。
Zabbix の初期設定
ブラウザで下記URLを開き、初期設定を開始します(ホスト名はご自分の環境に読替えてください)
http://www.example.com/zabbix/
「Next step」をクリックします。
すべて「OK」であれば「Next step」をクリックします。
「Password」欄に、MySQLのユーザー(zabbix)のパスワードを入力し「Next step」をクリックします。
そのまま「Next step」をクリックします。
設定した内容の最終確認です。間違えがなければ「Next step」をクリックします。
「Finish」をクリックすれば、初期設定完了です。
ユーザーパスワードと言語の変更
初期設定が終了すると、Zabbixのログイン画面が表示されますので、初期ユーザーでログインします
Username:Admin
Password:zabbix
[Administration]→[Users] をクリックします。
Alias列の「Admin」をクリックします。
Userタブを選択し、「Change password」をクリックします。
パスワードの入力欄が表示されますので、パスワードを入力し、
「Language」を「Japanese(ja_JP)」に変更したら「Update」をクリックします
一度ブラウザをリロードすると日本語表示になります
Zabbixサーバー自身の監視設定
初期状態でZabbixサーバー自身のホストが登録されていますので、監視を有効にしてみましょう。
[設定]→[ホスト] をクリックします。
Zabbix server にチェックを入れて「有効」ボタンをクリックすれば、監視が有効になります。
↓
しばらくしてから [監視データ]→[概要] で、グループ「Zabbix Servers」タイプ「データ」を選択すると、Zabbixサーバーの監視データを閲覧することができます。
おわりに
最新のZabbixに関する記事を時々書いているのですが、個人的に使ってるZabbixはまだバージョン2.4のままです(^^;) もちろんサポートが終了していますのでセキュリティ的にもよくありません。Zabbix 4.0 へのアップデートをぜひ検討したいと思います。
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