2016年2月16日、Zabbix3.0がリリースされました。約1年半ぶりのバージョンアップになりますね。今回のバージョンアップでは、WEBインターフェースデザインの一新、通信の暗号化、予測検知機能など、100以上の改善が行われています。さっそく、Zabbix 3.0 を CentOS7.2 (1511) にインストールしてみました。
Zabbix 3.0の新機能
Zabbix3.0のマニュアルを見てみると、本当に多くの機能が追加・改善されています。やはり今回の目玉は、Zabbixモジュール間(Zabbixサーバー、Zabbixプロキシ、Zabbixエージェント)の暗号化でしょうか、個人的には、SMTP認証の対応と、CPUをプロセスやユーザごとに監視できる「proc.cpu.util」アイテムの追加が嬉しいところです。予測機能も面白そうですね。
5 What's new in Zabbix 3.0.0 | Zabbix Documentation 3.0
下準備
まず始めに、CentOS7.2にLAMP環境をインストール しておきます。
Zabbix3.0では、PHPがバージョン5.4以上が必須になったようです。ただし、現時点(2016年2月18日)ではPHP7には対応していないので注意です。
PHP 5.4.0 or later PHP v7 is not supported yet.
2 Requirements | Zabbix Documentation 3.0 より引用
Zabbix 3.0のインストール
Zabbix の yumリポジトリの登録
インストール(2016年2月18日時点のバージョンは3.0.0-1)
yum -y install zabbix-agent
yum -y install zabbix-get
※PHPをRemiからインストールしている場合は、下記のようなエラーが発生することがあります。
エラー: パッケージ: php-bcmath-5.4.16-36.el7_1.x86_64 (base) 要求: php-common(x86-64) = 5.4.16-36.el7_1 インストール: php-common-5.4.45-2.el7.remi.x86_64 (@remi) php-common(x86-64) = 5.4.45-2.el7.remi 利用可能: php-common-5.4.16-36.el7_1.x86_64 (base) php-common(x86-64) = 5.4.16-36.el7_1
その場合は「--enablerepo=remi,remi-php56」を付けてインストールしてみてください。
Zabbix の yumリポジトリの無効化(念のため yum update でアップデートしないようにしておきます)
vim /etc/yum.repos.d/zabbix.repo
(略)
enabled=1
↓
enabled=0
[zabbix-non-supported]
(略)
enabled=1
↓
enabled=0
Zabbix用のデータベースの作成
MySQLにZabbix用のDBとユーザを作成
mysql -uroot -p
grant all on zabbix.* to zabbix@localhost identified by '<パスワード>';
quit;
Zabbix用のDBスキーマとデータをインポート
zcat create.sql.gz | mysql -uroot -p zabbix
Zabbixサーバの設定と起動
Zabbixサーバの設定
vim /etc/zabbix/zabbix_server.conf
↓
DBPassword=<パスワード>
Apacheの設定
vim /etc/httpd/conf.d/zabbix.conf
↓
php_value date.timezone Asia/Tokyo
Zabbixサーバの起動と自動起動設定
systemctl enable zabbix-server
Apacheの再起動
また、動作確認用に Zabbixエージェントも起動しておきます。
systemctl enable zabbix-agent
Zabbixエージェントの動作確認
3.0.0
上のように、Zabbixのバージョンが表示されれば、起動しています。
初期設定
ブラウザで下記URLを開き、初期設定を開始します(ホスト名はご自分の環境に読替えてください)
http://centos72/zabbix/
「Next step」をクリックします
すべて「OK」であれば「Next step」をクリックします
「Password」に、MySQLで設定したパスワードを入力し「Next step」をクリックします
そのまま「Next step」をクリックします
そのまま「Next step」をクリックします
「Finish」をクリックすれば、初期設定完了です
ユーザパスワードと言語の変更
初期設定が終了すると、Zabbixのログイン画面が表示されますので、初期ユーザでログインします
Username:Admin
Password:zabbix
[Administration]→[Users] をクリックします
ALIAS列の「Admin」をクリックします
Userタブを選択し、「Change password」をクリックします
パスワードの入力欄が表示されますので、パスワードを入力し、
「Language」を「Japanese(ja_JP)」に変更したら「Update」をクリックします
一度ブラウザをリロードすると日本語表示になります
Zabbixの基本的な設定や、監視テンプレートの設定などは下記をご参照ください。
ZabbixでLAMPサーバを監視設定メモ(Zabbix 2.4 CentOS6.6)
終わりに
Zabbix3.0では、WEBインターフェースがフラットデザインになっていて、操作をしていて気持ちがいいです。毎日使うツールは見た目も重要ですね。次回は、Zabbixサーバとエージェント間の暗号化設定を試してみたいと思います。
コメント
[…] をインストールする。(途中まで) 具体的な手順はこちらを参考にしてくださいhttps://blog.apar.jp/zabbix/4177/ ポイントはSELINUXの設定をOFFしてOSを再起動まで(インストールウィザードは動か […]
情報を参考して、Zabbixのインストールが成功しましたが、中に一点修正があったので、お知らせします。ご参考ください。
yum -y install zabbix-server-mysql zabbix-web-mysql zabbix-web-japanese
を実行すると現れてきたメッセージは次になります。
Error: Package: php-bcmath-5.4.16-42.el7.x86_64 (base)
Requires: php-common(x86-64) = 5.4.16-42.el7
Installed: php-common-5.6.30-1.el7.remi.x86_64 (@remi-php56)
php-common(x86-64) = 5.6.30-1.el7.remi
Available: php-common-5.4.16-42.el7.x86_64 (base)
php-common(x86-64) = 5.4.16-42.el7
installedを見てみると、記事が記載した@remiではなく@remi-php56になるため、次のオプションを加えてインストールに成功しました。
–enablerepo=remi-php56
>Kensho.Nさん
ご指摘ありがとうございます!記事を修正いたしました。