KeyCDN は低コストかつ簡単に使えるコンテンツデリバリーネットワークです。KeyCDNはスイス・チューリヒ州にあるベンチャー企業が運営していますが、スイスから遠く離れたこの日本(東京)にもエッジサーバがあります。AWS CloudFrontの障害対策の記事などで KeyCDN の名前をよく見かけるようになり、気になっていたので試しに使ってみて CloudFront との転送スピードを比較してみました。
KeyCDNの利用料金
CDNの利用料金比較サイト CDN Calculator で見てみると2015年1月11日時点では CDNNOW と並んで KeyCDN が一番低コストになっています。CloudFrontの約3分の1の料金で使えますね。HTTP/HTTPSどちらを使っても料金は変わりません。
KeyCDNの設定
KeyCDN を利用登録してログインすると下記のようなダッシュボードが表示されます。利用登録から30日間は転送量が25GBを越えるまでお試し期間のためで無料で使えるようです。KeyCDNの利用料金は先払いで入金しておく形式なので、お試し期間が終了する前に入金しておかないと配信が停止してしまいますので注意です。
では早速設定してみしょう。
Zone Name・・・KeyCDNにキャッシュされたコンテンツのURLの一部になります。アルファベット小文字のみ使えます。
Zone Status・・・「active」を選択
Zone Type・・・・「pull」を選択
Origin URL (incl. http:// or https://)・・・オリジンサーバ(元データを格納しているサーバ)のURLを入力。ようするにサイトのURLを入力すればOKです。
サイトでHTTPSを使っている場合は、Zone Type の「Show Advanced Features」クリックして下記も選択します。
SSL・・・今回は「shared」を選択します。「custom」を選択すれば独自ドメイン用の証明書を設定することもできます。
Force SSL・・・サイトで HTTP→HTTPS リダイレクトの設定をしている場合は「enabled」を選択します。
ページ下部の「Save」をクリックすればZoneの作成が開始し5分くらいで作成が完了します。
上の「URL」列に表示されているのが、KeyCDN の URL になりますので、画像ファイルなどのリンク先を KeyCDN の URL に書き換えれば、KeyCDN の設定完了です。
<img src='https://blog.apar.jp/img/sample.jpg'>
↓
<img src='https://aparblog-e61.kxcdn.com/img/sample.jpg'>
動作確認
適当なファイルを KeyCDN から HTTPS で取得してみます。HTTPステータスコードが200であればOKです。初回取得の場合は「X-Cache: MISS」と表示されます。もう一度ファイルを取得してみて 「X-Cache: HIT」となっていれば、正常に KeyCDN のキャッシュからファイルを取得しています。
$ curl -I https://aparblog-e61.kxcdn.com/wp-content/uploads/2015/01/ogp-keycdn.png HTTP/1.1 200 OK (略) X-Cache: MISS ←初回 X-Edge-Location: jptk $ curl -I https://aparblog-e61.kxcdn.com/wp-content/uploads/2015/01/ogp-keycdn.png HTTP/1.1 200 OK (略) X-Cache: HIT ←2回目
続いて HTTP でファイル取得して HTTPS にリダイレクトされることを確認します。HTTPステータスコードが301で「Location」が KeyCDN の URL であればOKです。
$ curl -I http://aparblog-e61.kxcdn.com/wp-content/uploads/2015/01/ogp-keycdn.png HTTP/1.1 301 Moved Permanently (略) Location: https://aparblog-e61.kxcdn.com/wp-content/uploads/2015/01/ogp-keycdn.png
転送スピード比較
100MBのファイルをオリジンサーバ(さくらのVPS)にアップロードし、このファイルを KeyCDN と AWS CloudFront にキャッシュさせた状態でダウンロードにどのくらい時間がかかるかを計測しました。
結果はなんと KeyCDN が一番高速でした。KeyCDN の売り文句「High Performance」「Lower Costs」通りですね(^^)
KeyCDN | AWS CloudFront | オリジンサーバ(さくらのVPS) | |
1回目 | 18.9 | 26.0 | 19.1 |
2回目 | 15.9 | 23.8 | 18.5 |
3回目 | 17.0 | 23.2 | 17.9 |
4回目 | 20.0 | 25.3 | 19.5 |
5回目 | 18.4 | 20.4 | 16.1 |
平均 | 18.0 | 23.7 | 18.2 |
ばらつき | 1.42 | 1.97 | 1.21 |
計測日:2015年1月12日
計測方法
クライアントキャッシュを使わないように curlコマンド「curl -s -o /dev/null <URL> -w %{time_total}」で計測しました。ネットワーク環境によっては計測値が異なるかもしれませんので、もしよければご自分の環境で計測してみてください。
お試し期間の終了(2015年2月8日追記)
KeyCDNのお試し期間の2〜3日前に、「お試し期間終了のためアカウントが無効になるので入金してね」旨のメールがきます。ただ、KeyCDNのアカウントを作成したときにサービスで1ドル入金されていたので、もしかしたらこのままでも大丈夫かなあ〜と思っていましたが、しっかりお試し期間終了日にKeyCDNからのコンテンツ配信が停止しました(^^;)
KeyCDNのコントロールパネルで確認すると、アカウントが無効(inactive)になっています。「Payment」をクリックして早速支払い手続きです。
支払い方法は、クレジットカードか PayPalが選べます、私はPayPalを選択しました。29ドル単位での入金になります。
決済が完了すると、即座にアカウントが有効(active)になり5分ほどでKeyCDNからのコンテンツ配信が再開されました。
今回コンテンツ配信が停止したのは私個人のブログの画像ファイルのうちほんの一部でしたが(画像を見れなかった方ごめんなさい!)お仕事などでガッツリKeyCDNを使う場合は、あたりまえですが事前にある程度入金しておくのをおすすめします。
コメント
為になりました。ありがとうございます
>匿名さん
こちらこそコメントありがとうございます!