2020年12月8日 The CentOS Project は、CentOS Linux 8(RHEL 8 のクローン)を2021年末に終了すると発表 しました。私も含め CentOS を利用している方にとっては衝撃のニュースだったのではないでしょうか? そこで今回は、CentOS Linux 8 終了への今後の対応方法を簡単にまとめてみました。
CentOS の現状
今後の対応方法を検討する前に、今回の発表をふまえて CentOS の現状を整理してみましょう。
プロダクト | 状況 |
---|---|
CentOS Stream 9 | 2021年第2四半期にリリース予定 |
CentOS Linux 9 | (リリースなし) |
CentOS Stream 8 | 完全な RHELサポートフェーズ(2024年5月31日)まで継続 |
CentOS Linux 8 | 2021年12月31日に終了 ←今回の発表 |
CentOS Linux 7 | 2024年6月30日まで継続 |
CentOS Linux 6 | 2020年11月30日に終了済み |
参考資料:FAQ: CentOS Stream Updates | Red Hat blog
少しややこしいのですが、CentOS 8 には、CentOS および RHEL(Red Hat Enterprise Linux)の開発者向けの「CentOS Stream」と、RHELのクローン版の(公式には「rebuild」と表現しています)「CentOS Linux」があり、その位置付けは、次のようになります。
今後は RHEL の開発プラットフォームとなる CentOS Stream に一本化することによって、新機能やバグの修正などがいち早く提供されることが期待できます。しかし、RHEL の開発バージョンともいえる CentOS Stream を本番環境で採用してよいものかが悩ましいところではないでしょうか。
新規サーバーの場合の対応
これから新たにサーバーを構築する場合は、CentOS Linux 8 を使うことは避けましょう。繰り返しになりますが2021年末にサポートが終了します。
対応方法は次の2つです。
- CentOS Linux 7 を使う
- 他の Linux ディストリビューションを使う
他の Linux ディストリビューションを使うにしてもこれまで CentOS をメインで使ってきたチームの場合、調査や学習する時間が必要ですので、CentOS Linux 7(2024年6月30日まで継続)を使いつつ、計画を立てて段階的に移行するのが現実的かと思います。
すでに CentOS Linux 8 で運用している場合の対応
すでに CentOS Linux 8 で運用している場合の対応方法は、次の3つです。
- CentOS Stream 8 に移行する
- CentOS Linux 7 に移行する
- 他の Linux ディストリビューションに移行する
CentOS Linux 7 や他の Linux ディストリビューションへの移行は、かなりの手間とリスクが伴いますので、CentOS Stream 8 への移行が現実的でしょう。The CentOS Project も CentOS Stream 8 への移行を推奨しています。
CentOS Linux 8 から CentOS Stream 8 への移行は、以下のコマンドで簡単にできます。
sudo dnf install centos-release-stream
sudo dnf swap centos-{linux,stream}-repos
sudo distro-sync
関連記事:CentOS Stream 8 へ移行すると何が変わるのか? 検証してみた
おわりに
現時点ではあまりオススメはできませんが、あえて最新の CentOS Stream を使うのもありかと思います。個人的に運用している CentOS Linux 8 のサーバーは、2021年第2四半期にリリース予定の CentOS Stream 9 に移行しようかと考えています。
CentOS の公式ブログでも「CentOS Stream は、RHELの安定した信頼性の高い継続的デリバリーです」と主張されていますので、信頼性についてもそんなに心配する必要もなさそうです。
CentOS Stream is the stable and reliable continuous delivery of RHEL
https://blog.centos.org/2020/12/centos-stream-is-continuous-delivery/ より引用
CentOS Stream を RHELの開発バージョンとして捉えるか、最新の機能が使えて開発にも参加できる 先進的なLinuxディストリビューションとして捉えるかで対応も変わってきそうですね。
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