ITストラテジスト試験は、勉強法が他の報処理試験とは違った話

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昨年、ITストラテジスト試験(経済産業省認定)を受験して、おかげさまで無事に合格しました。これまでに、色々な情報処理技術者試験を受験してきましたが、ITストラテジスト試験は、他の情報処理技術者試験とは少し勉強法が違ったのが印象的でした。そこで今回は、ITストラテジスト試験の勉強法の違いについてまとめてみました。

ITストラテジスト試験の対象者像

ITストラテジスト試験の対象者像は次のように定義されています。

高度IT人材として確立した専門分野をもち、企業の経営戦略に基づいて、ビジネスモデルや企業活動における特定のプロセスについて、情報技術を活用して改革・高度化・最適化するための基本戦略を策定・提案・推進する者。また、組込みシステムの企画及び開発を統括し、新たな価値を実現するための基本戦略を策定・提案・推進する者

IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:制度の概要:ITストラテジスト試験 より引用(2019年7月23日)

他の情報処理技術者試験と大きく違うのは、ITストラテジスト(訳:戦略家)試験では、その名の通り経営戦略やビジネスモデルなど経営に関する知識が必要なことです。

他の情報処理技術者試験は、情報システムや組込みシステムの ITに関する知識を問われるので、その知識がなぜ必要なのかを理解しやすいのですが、経営戦略やビジネスモデルは、どこか遠い世界の話に思えます。いつものように、試験対策本で勉強を始めたのですが、なぜその知識が必要なのかが理解できていないので、なかなか頭に入ってきません、、、

試験対策の前に経営戦略の書籍を読む

そもそも、技術系の仕事しかしていない私は「経営戦略」自体がよく分かっていません(^^;) そこで、経営戦略に関する書籍をいくつか読んでみました。

遠い世界の話かと思っていましたが、読んでみるとなかなか面白く、技術書のように読むのは大変ではありません。ITストラテジスト試験対策を始める前に2〜3冊読んでおくと、ITストラテジスト試験の勉強がはかどると思います。

少しはまってしまい 20冊ほど読んだ経営戦略に関する書籍の中から、特に ITストラテジストの試験勉強に役立ちそうな2冊をご紹介します。

V字回復の経営(三枝 匡)

実際に産業機器メーカーで行われた事業再生を題材にした物語です。「経営戦略」とはなにか、経営戦略がなぜ必要なのかが痛いほどよくわかります。2001年頃に執筆された書籍ですので、技術書として考えてしまうと古い知識でないかと不安なりますが、経営戦略の原理はあまり変わることはありませんので、まったく問題ありません。

純粋に読み物としても面白いので、試験勉強の合間の息抜きに読むこともできます。

この1冊ですべてわかる 経営戦略の基本(日本総合研究所 経営戦略研究会)

本のタイトル通り経営戦略の基本を、とても丁寧に分かりやすく解説されています。ITストラテジスト試験で問われる経営戦略の知識はこの1冊があれば十分です。試験対策の参考書としても使えます。

経営戦略のフレームワーク(PEST、5Forces、バリューチェーン、VRIO、3C、SWOTなど)を戦略策定の流れに沿って解説されているので、フレームワークの意味や位置付けをしっかり理解できます。

関連記事:経営戦略のおすすめ本 初心者でも楽しく読める5冊をご紹介

論文のネタを集めておく

ITストラテジスト試験の午後Ⅱ試験は、論述式(小論文)です。

他の情報処理技術者試験の小論文では、これまでの仕事の経験をアレンジしてある程度論文のネタにすることができますが、ITストラテジスト試験では論文のテーマは「あなたが関わったIT戦略の策定において〜」など、かなり壮大になります(^^;)

日頃から経営やIT戦略戦略に関わっている方は別ですが、新聞やWebサイトなどで、ITを活用した経営戦略の事例を論文のネタとして集めておくことをオススメします。

もし、お勤めの会社で日経コンピュータを定期購読しているのであれば、毎号なにかしらITを活用した経営戦略の事例が紹介されていますので、読んでおくとよいでしょう。

おわりに

ITストラテジスト試験は、情報処理技術者試験のなかでも最難関と言われていますが、ITに関する知識はそれほど深く問われません。

私を含めIT技術者にとって「経営戦略」が縁遠いことが、この試験を難しく感じさせているのではないかと思い、このような記事を書いてみました。この記事が、ITストラテジスト試験の合格を目指す方の参考に少しでもなれば幸いです。試験勉強がんばってください。合格できることをお祈りします!

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