サーバー管理をしていると、vi(vim)が使えない最小構成の環境や、他のメンバーと共有する端末で「とりあえずサクッと編集したい」場面に出会うことがあります。そんなときに便利なのがnanoエディタです。本記事では、vi/vimの操作に慣れている方向けに、nanoの基本操作を整理してご紹介します。
nanoとviの最大の違い
vi(vim)は「ノーマルモード」と「入力モード」を切り替えながら操作するモーダルエディタですが、nanoにはモードの概念がありません。起動した瞬間からすぐに文字が入力できる状態になっており、コマンドはすべてCtrlキーまたはAlt(Meta)キーとの組み合わせで実行します。
画面下部には、常に使えるショートカット一覧が表示されます。^はCtrlキー、M-はAlt(Meta)キーを意味しており、操作に迷った場合でも、画面下部のヘルプを見るだけで主要な操作を確認できます。
なお、M-キーの実体は環境によって異なります。Linux上のターミナルであれば多くの場合Altキーがそのまま使えますが、macOSのターミナルアプリはデフォルトでOptionキーが特殊文字入力に割り当てられているため、そのままではM-として機能しません。使用する場合は「設定」→「プロファイル」→「キーボード」で「メタキーとしてOptionキーを使用」を有効にする必要があります。設定を変えたくない場合は、Escキーを押してから対象のキーを押すことでも同様の操作が可能です。
基本操作:保存と終了
| 操作 | キー | vi的感覚での対応 |
|---|---|---|
| 保存 | Ctrl+O(WriteOut) |
:w |
| 終了 | Ctrl+X |
:q |
| 保存して終了 | Ctrl+O → Enter → Ctrl+X |
:wq |
| 強制終了(未保存) | Ctrl+X → 確認で N |
:q! |
Ctrl+Oを押すとファイル名を編集できる状態でEnter待ちになります。ファイル名を変えずそのまま保存する場合は、そのままEnterを押せばOKです。
カーソル移動・行編集
| 操作 | キー |
|---|---|
| 行頭へ移動 | Ctrl+A |
| 行末へ移動 | Ctrl+E |
| 1ページ上へ | Ctrl+Y |
| 1ページ下へ | Ctrl+V |
| ファイル先頭へ | Alt+\ |
| ファイル末尾へ | Alt+/ |
| 1行削除(カット) | Ctrl+K |
| カットした行を貼り付け | Ctrl+U |
矢印キー・BackSpace・Deleteはそのまま通常通り使えます。vimのように独自の移動キーや編集コマンドを覚える必要がなく、一般的なエディタに近い感覚で操作できます。
検索・置換
| 操作 | キー | vi的感覚での対応 |
|---|---|---|
| 検索 | Ctrl+W |
/pattern |
| 次を検索 | Alt+W |
n |
| 置換 | Ctrl+\ |
:%s/old/new/ |
| 指定行へジャンプ | Ctrl+_ |
:数字 |
範囲選択とコピー
vimのビジュアルモード(v)に近い操作として、以下の流れで範囲選択・コピーができます。
Alt+A(Set Mark)で選択開始位置を指定- カーソルキーで範囲を広げる
Alt+6でコピー、Ctrl+KでカットCtrl+Uで貼り付け
viユーザーが最短で身につけるべき3コマンド
複雑な操作を全部覚える必要はありません。まずはこの3つだけ押さえておけば、大半の作業はこなせます。
Ctrl+O→ Enter(保存)Ctrl+X(終了)Ctrl+W(検索)
あとは矢印キーとBackSpace/Deleteで普通に編集していけば十分です。
viとnano、どう使い分けるか
- 設定ファイルの複雑な編集、複数箇所の一括置換、じっくり作業したいとき → vim
- ちょっとした確認、1行だけ直したいとき、viが使えない/慣れていない相手と共有する端末 → nano
nanoはディストリビューションやインストールオプションによっては入っていない場合がある一方、vi/vimはほぼどのLinux環境にも存在するため、緊急対応が多いサーバー管理者はvi/vimをメインに据えつつ、nanoの操作も知っておくと選択肢が広がります。
おわりに
nanoはモードを意識せず直感的に使える反面、vi/vim操作に慣れていると逆に戸惑いやすいエディタです。しかし対応関係を整理してしまえば、乗り換えのハードルはそれほど高くありません。普段vi/vimを使っている方も、いざというときのためにnanoの基本操作を覚えておくと安心です。



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